他者の不幸に喜びを感じる本能
- bohemianeugene
- 9月13日
- 読了時間: 2分
SNSで見かけると、心中穏やかではいられない3人のアーティストがいる。
彼らの活躍を見るにつけ、わたしだって彼らと同じくらい屈強で健康な男だったら決して負けないのに、とねたましい。
一見しあわせそうな家庭を築き、揺るぎない自信が内側からみなぎり、卑屈さはみじんも感じさせない彼らを、私はいつも、直視出来ない。
いつか彼らの創造性と成功に終わりが訪れますように、と願うことすらある。このような、他者の不幸や失敗に喜びを感じることをドイツ語でシャーデンフロイデというらしい。
第一次世界大戦後に経済が混乱していたドイツで、成功者が多かったユダヤ人が大虐殺された背景にも、シャーデンフロイデがあったといわれている。
他者の不幸や失敗の分、幸福や成功が自分に舞い込むことはないにも関わらず、本能的に湧き上がってしまうシャーデンフロイデ、恐ろしい。
さて、前述の私が妬んでいる3人の男性作家についてだが、たとえば私が屈強で健康な男だったら、それは私ではないし、彼らになりたいということではないし、彼らのような作品が作りたいわけでもない。つまるところ、私の中に渦巻く、「他者から評価されたい」欲望が、彼らを羨むのだ。
他者から評価されることで自分を評価している限り、決して満たされることはないとわかっているのだけれど。
だとすると、自分で自分を評価できる仕事をするしかなく、自分がそのとき見てみたい、それでいて見たことのないもの、かつ自分にしか作れないと思うものを作り出すことで、シャーデンフロイデに争っていきたいと思っている。


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