難しそうに見えて実はシンプルな友禅染め

友禅染めとは、円錐状の筒に米糠から作った糊を入れ、細く絞り出すことで模様の輪郭を描く技法です。

染めものの種類は、どのようにして染まらないところを作るかによって、決まっています。

布を絞って染まらないところを作るのは絞り染め、蝋を使って染まらないところを作るのはろうけつ染め、型を使って糊で染まらないところを作るのが型染め、と呼ばれています。

友禅染めは江戸時代から続く伝統的な染色技法です。難しそうに見えて、実は簡単、とまでは言えないまでも、家でも制作できる手軽さはあります。

例えば、特別な機械といえば、染料を定着させるための蒸し器くらいなもので、水洗いはお風呂場で出来ますし、布を広げる場所さえあれば比較的スペースをとりません。

また、一度図案を決めたらそれに従って制作するしかない、という点も気に入っています。絵画や彫刻などの創作においては、制作している最中にも絵柄や造形が変わることがあると思います。それに比べて、友禅染めの場合、基本的に制作最中に変更が効きません。わたしのように、平日は会社に行って、休日に制作しているようなヒトには、そういう技法が合っている気がします。なぜかというと、制作を始めてから色や模様を考えるのは予想が難しく、また時間もかかるからです。一度決めたらエイヤと最後まで作りきるしかないところが気に入っています。

逆に友禅染めで難しいところは、糊づくりと色づくりになります。

糊は市販のものもありますが、自分で作ったほうが断然使いやすいものが出来ると思います。米糠を買ってきて、水を加えて練り、蒸すと粘りが出ます。そのまま使うと米糠がダマになって、筒から絞り出すときに詰まってしょうがなくなります。だから、ダマを漉さなければなりませんが、ここが大変です。


↓糊を濾しているところ。二人掛かりだと、まだやりやすい。

糊には絞り出しやすい堅さがあります。その堅さは、ダマを濾すには堅すぎるので力がいりますし、下手くそだと手に糊がくっついてベタベタになります。 

色を作るのが大変な理由は、染料を定着させるために蒸すと色が変わるからです。ほとんどの色が蒸すと鮮やかになります。

また、染料店で買ってきたままの色は鮮やか過ぎることが多いので、理想の色にするためには大体3色は混色します。わたしの場合、作品ごとに10~20色作ります。布の端切れて色試しをして、30分程蒸して、また色試しをして、というのを2~3回繰り返してやっと理想の色が揃います。

大変なこともありますが、家でも出来て、大規模な機械もいらない友禅染めは比較的始めやすい染色技法だと思います。なんといっても、「どんな絵も描ける」というのは最大の特徴です。これは、絞り染めやろうけつ染めのように細かな表現が難しい技法に比べると画期的な特徴だと思います。