友禅染めについて

1. 見分け方 〜京友禅・加賀友禅など〜


友禅染めといっても京友禅・加賀友禅・手書き友禅などいろいろな分け方があります。

元々、友禅染めは江戸時代に発展した染色技法で、米ぬかを練って作った糊を三角錐の筒から細く絞り出し、その糊を防波堤にして多色を染め分ける技法です。糊は水溶性ですので、水に溶けてなくなります。そのため、仕上がった時、糊があった部分が白い輪郭線として現れます。糸目糊と呼ばれる糊の細い線が特徴です。


1)京友禅

米ぬかから作った糊ではなく、ゴム糊と呼ばれる糊を使うことが多いようです。ゴム糊は私は使ったことがありませんが、天然ゴムや合成ゴムを主成分に作るようです。米ぬか製の糊は水に溶けやすいので、染めているうちに糊のきわが少し溶けて柔らかい線になります。それに比べるとゴム糊はくっきりとした線になります。また、ゴム糊は、米ぬかの糊よりも頑丈という意味では作業性に優れていると思いますが、ゴム糊を除去するのには特殊な溶剤が必要なため専門的な設備が必要です。

また、染めた後に、金箔や刺繍などを施してきらびやかな仕上がりになるのも特徴です。


2)加賀友禅

金箔や刺繍を施す京友禅に対して、染めだけで仕上げるのが加賀友禅の特徴だと思います。卯辰山工芸工房に在籍中、加賀友禅の職人さんの元で短期間、研修しました。職人さんの仕事が分業になっていることも印象的でした。(これは京友禅も共通かもしれません)

図案を考える人(作家さん)、糊をおく人(糸目屋さん)、伏せ糊という背景以外の部分を糊で覆う仕事をする人、背景を染める人(地染屋さん)、また、かつてはその職人さん同士を仲介する職業(悉皆屋さん)も多くいたとのこと。


3)手書き友禅など

糊を三角錐の筒から細く絞り出して糸目糊をおくのが友禅染の特徴です。そして、これを手で行うのが手書き友禅です。京友禅・加賀友禅でも、手書きで糊をおいていれば、それは手書き友禅でもあります。それに対して、型紙を使って糸目糊のように見せるのが型友禅。型を使わずに、インクジェットプリントや転写シールなどを用いて友禅染めのように見せる手法もあります。手書き友禅はその名の通り手作業なので、細かい模様の連続模様に比べて、余白を生かしたメリハリのある模様の方が、その技が活きると思います。また、色数が増えれば増えるほど手間がかかるので、ある程度の色の制限はあると言えます。そのため、手書友禅が不得意な、細かい模様の連続や、すごくカラフルな模様を表現するには、インクジェットプリントや転写などが適しています。


2.芸大で習った友禅染め


私が芸大で習った友禅染めは、手書き友禅です。先生は、日展や現代工芸展などの団体展で発表している作家で、芸大の工芸科の場合は職人さんはいませんでした。友禅染めの最初の課題は、江戸時代の友禅染めの模作でした。図版を見ながら、反物の幅で長さ50cmくらいの作品をそっくりそのまま再現するという課題です。その後、自分で自由に絵柄を考えて製作する課題へと進みました。手書き友禅というのは、線で描けるものならなんでも描けるので、それまでに習った臈纈染や型染め、絞り染めに比べて自由度が高いところが魅力です。その反面、他の技法に比べて味わいが出にくいというのも確かで、絵の技量がそのまま出るというのも面白いところです。