なるべくお金をかけずに海外の美大へ留学する方法_2

グラスゴー美術大学から受け入れ不可の連絡を受けて、最終的には受け入れてもらえるようになるまで、1ヶ月半かかりました。私にとっては半年くらいに感じる、長い交渉の日々でした。

受け入れ不可の理由としては、コミュニケーションデザイン科という受け入れ枠に対して、私の志望動機が合致していないというものでした。

コミュニケーションデザイン科では、表現的な作品も、商業的な作品もOK。写真家を目指す人、イラストレーターを目指す人、ゲームを作る人やエディトリアルデザインと呼ばれる書籍のデザインを志す人など、様々な学生がいます。

デザインについては大学では学んでいなかったので、志望動機と沿わないと言われると、確かにそうかもしれないと、今は少し、思います。しかし当時は全く納得できず、「そこをなんとか」と交渉を繰り返し、最終的に、別な学科で教授をされていた、たほりつこ先生が留学先へ働きかけてくれました。語学を力に、しかも関係のない学科の生徒にも関わらず、交渉を行ってくれた、たほ先生。かっこよくて憧れの人です。

いざ、グラスゴー美術大学での授業が始まってみると、「選択した特定の言葉をポスターで表現しなさい」だとか、「三段回で変化する主題を決め、その変化を表現しなさい」など、「伝えたいことをどのように相手に伝えるか」を、訓練するための課題に取り組みました。

留学先では、染色をするつもりは無く、手法にこだわらずに作りたかった。手法よりも、それをプレゼンテーションすることを訓練したいと思っていました。周りの学生が用いる手法は、イラスト、CG、ゲーム、写真など様々です。わたしもシルクスクリーンで版画をしたり、材料を組み合わせて写真をとりコラージュしたり、毎日アドレナリンが出っぱなしで過ごしていました。

異国の人を相手に、言葉だけでは伝えられないことを、作品を通して理解してもらえた瞬間。それが一番心に残っています。違う文化や言葉を使っていても、絵や彫刻を観て感じることがある。それがどれくらいの手間をかけて作られたものなのか、何を表しているのか、感じられる。それは、当たり前のようで奇跡のようなことだと思います。



↓留学先の最後の課題で作った6枚の版画のうちの1枚