金沢の職人さんを訪ねる
卯辰山工芸工房の染め工房の研修として、加賀友禅の職人さんの元で帯を一本製作しています。
自分の作品としては、絵画作品として友禅染で制作しているので、お着物や帯を作ることはありません。それでも、今回の工房の課題として帯を作ることになり、学びがたくさんありました。
加賀友禅って分業で成り立っていて、今も金沢市近郊で産業として続いているんです。
図案を作る「作家さん」、糸目糊をおく職人さん、そのあと再び作家さんの元に布が帰って彩色、地染めをする職人さん、最後に蒸して水洗いして湯のしをする職人さん、少なくとも5つに分かれているんです。
明治時代から4代続く地染め屋さん、木村染物店の木村さん曰く、「こんな風に分業になったのはバブルで着物がたくさん売れるようになってから」らしく、30年前くらいだから意外と最近の出来事ですね。
職人さんのイメージってやっぱり頑固で「見て覚えろ」的な厳しいイメージですけど、皆さんフレンドリーで気さくに教えてくださいます。ただ、絵のことになると、伝統的な加賀友禅と感覚の違いが大きすぎるのか、「あんたの絵見てると頭おかしくなるわー」と金沢弁で笑ってらっしゃいました。